伝統工法?在来工法の間違いでは?
家の骨格となる構造・工法には色々ありますね。我が家の構造・工法は、伝統工法です。伝統工法は木造軸組工法の一種で、古民家の工法と言えば想像できるでしょうか?最も特徴的なのは、木と木を繋ぐ継手部分です。木造軸組工法の主流である在来工法は、継手部分に金物を使用しますが、伝統工法は繋ぎ方に応じた適切な継手で木を組み上げ、金物を使用しません。木組みと言われることもあります。文字通り、木を組み上げて骨組みを形成します。
木を組み上げる現場を見ていると、職人技に惚れ惚れしました。最初は柱一本立ってフラフラしていたものが、徐々に周辺の部材で支えられ、最後にはガチガチに固められる様は壮観です。現場の様子を見てください。ちなみに建て方(木を組み上げる工程)は4日がかりでした。
手刻み?機械加工の方が正確でしょ!
このような継手を実現するためには、木を手で刻む必要があります。継手形状が複雑なため、機械によるプレカットでは実現できません。手で刻むと言っても最低限の電動工具は使いますがね。我が家の場合、刻みの工程は大工さんの工房で行われ、数か月がかりでした。
この工法は、大工さんの腕にかなり依存することや手間暇がかかるので、採用できる業者は限定的。絶滅危惧種に指定されそうです。図面から刻み方を読み解く技術、木を刻む技術、組み上げる技術、適材適所に木を配置する目利き、道具の手入れ・・・現代にも日本の伝統技術を残してくれている大工さん、ありがとうございます。
伝統工法のメリット
- 木のしなりを最大限活かし、地震や台風などによる外からの力を受け流すことで骨組みの崩壊を防ぐ※
- 骨組みを「あらわし(見せる)」としたデザインが可能
- 間取りや窓の位置、屋根の形など設計の自由度が高い
- リフォームにも対応しやすい
- 職人の技を眺めながら暮らすことが可能(自己満足)
※本来の伝統工法は基礎の上に骨組みが乗っているだけでした。外からの力を受けた時、木のしなりだけでなく、基礎と骨組みがずれることでも力を受け流すことができます。我が家は基礎と骨組みはボルト結合されていますので、純粋な伝統工法とは少し違います。
伝統工法のデメリット
- 工期がかかる
- 出来栄えが大工の腕に左右される
- 施工可能な業者が少ない
- 気密性を確保したい場合は工夫が必要
我が家の工期は下記リンクで確認できます。
我が家に伝統工法を選んだ理由
骨組みを「あらわし」としたデザインが好きで、太い柱や梁の家に憧れていました。気に入ったデザインの家を調べると伝統工法の場合が多かったです。また、偶然、近所に伝統工法が得意な建築士がいたというのも大きな理由です。
仕様
土台 桧:120 mm角
柱 杉:120 mm角、150 mm角、180 mm角、210 mm角
梁 杉:120x120~390 mm
通し貫 桧:30x120 mm
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